お金の不安を消す「緊急予備費」の正しい作り方2026年版|いくら必要か・どこに置くか・NISAと現金のバランスをどう設計するか
「会社員だから確定申告は関係ない。年末調整が全部やってくれる」。以前は自分もそう思っていました。でも医療費が10万円を超えた年に、試しに確定申告してみたら約3万円が戻ってきたんです。「もしかして今まで毎年損してた?」と思って過去分をさかのぼって申告したら、さらに2年分取り戻せました。
年末調整は「会社が社員の代わりにやってくれる申告」ですが、医療費控除・ふるさと納税(ワンストップ忘れ)・住宅ローン初年度・副業・株の損失などは対応していません。該当するのに申告していないと、払いすぎた税金がそのままになります。
2026年はe-Taxがさらに便利になって、iPhoneでマイナンバーカードをウォレットに入れれば自宅からスマホだけで完結します。今年こそ申告してみようかなと思っている方向けに、必要な情報をまとめました。
まず日程と今年の変更点を確認しておきます。「知っているから飛ばす」という方も、2026年は制度変更があるので一度目を通してみてください。
2026年(令和7年分)の申告期間は2月16日〜3月16日です(3月15日が日曜のため1日延長)。ただしこれは「納税する必要がある人の期限」の話で、税金が戻ってくる「還付申告」は1月1日から受け付けており、5年以内ならいつでも申告できます。
つまり2025年分(今年の申告)に限らず、「2021年分の医療費控除をやり忘れていた」という場合も、2026年中に申告すれば5年以内で有効です。「もう遅い」と諦めていた分が戻ってくるかもしれないんですよ。
①基礎控除・給与所得控除の引き上げ。基礎控除が48万円から58万円に、給与所得控除の最低額が55万円から65万円になりました(T42でも詳しく書きました)。確定申告でも同じ変更が適用されます。
②特定親族特別控除の新設。19歳以上23歳未満の扶養親族(大学生世代)がいる家庭向けに、所得58万円超〜123万円以下でも最高63万円の控除が受けられる新制度です。今まで扶養から外れていたアルバイト学生の子がいる場合は要確認です。
③iPhoneでマイナンバーカードのウォレット対応。これが地味に大きい変更で、iPhoneのAppleウォレットに電子証明書を格納できるようになり、カードを持ち出さなくてもスマホだけでe-Taxのログイン・電子署名が完結します。
なお、ID・パスワード方式は2025年10月に新規発行停止
今まで税務署でID・パスワードを発行していた人は当面使えますが、新規取得はできなくなりました。これから始める方はマイナンバーカードが前提になります。
「去年申告しなかったからもう無理」という声をよく聞くんですが、実際はそうじゃないんですよね。医療費控除もふるさと納税のワンストップ忘れも、5年以内なら取り戻せます。「締め切りを過ぎたから終わり」ではないということ、ぜひ覚えておいてほしいです。
今年の分だけでなく、「過去2〜3年、申告し忘れていたことはなかったか」を一度確認してみてください。
「どれか一つでも当てはまるか」を確認してみてください。当てはまるなら申告する価値があります。
① 医療費が年間10万円を超えた
家族全員の医療費を合算して10万円(または総所得の5%)を超えた部分が控除対象になります。年収600万円の場合、自己負担医療費30万円・保険金5万円受取なら控除対象は15万円。所得税率20%なら約3万円の還付になります。
② ふるさと納税のワンストップ特例を忘れた(または6自治体超に寄付した)
ワンストップ申請書を出し忘れた、または今年6つ以上の自治体に寄付したなら確定申告が必要です。申告することで寄附金控除が受けられ、所得税と翌年の住民税が減ります。
③ 住宅ローン控除の初年度
入居した年だけは確定申告が必要です。2年目以降は年末調整で対応できます。初年度を忘れると、その年の控除が受けられないまま終わります。
④ 副業・フリーランス収入が年間20万円を超えた
これは「得する」ではなく「義務申告」です。FX利益15万円+副業雑所得10万円=25万円なら申告が必要。ただし経費として認められるものを計上すれば、実際の課税額は下げられます。
⑤ 株・投資信託で損が出た
損益通算(他の口座の利益と損失を相殺)や3年繰越控除ができます。たとえば2025年に100万円の損失を申告しておけば、2026〜2027年の利益と相殺できます。「損したから申告する必要ない」は間違いで、損したからこそ申告する価値があるんですよね。
⑥ 年の途中で転職・退職した
転職して源泉徴収票が2枚ある場合、年末調整されていない給与があれば自分で申告しないと税額が過大なままです。退職後に再就職しなかった場合も、払いすぎた源泉徴収税が戻ってくるケースが多いです。
医療費控除は「対象になるもの・ならないもの」の境界線が少しわかりにくい部分があります。「これは入るかな」と悩んだことがある方は多いんじゃないでしょうか。
対象になりやすいもの
病院・歯科・診療所の診察料と処方薬代。認可された不妊治療費・出産費用(分娩費・妊婦健診の一部)。医師の指示による治療用装具(コルセット・義歯など)。通院のための交通費(電車・バス、やむを得ない場合のタクシー)。
対象にならないもの
美容整形、審美目的の歯列矯正。治療目的でないマッサージ・整体。健康増進サプリメント。個室を希望した差額ベッド代・入院中のテレビカード代。
2017年以降、医療費控除は「医療費控除の明細書」を提出する方式になっています。領収書そのものは税務署に出さなくていいので、申告書類がスッキリしました。ただし領収書は自宅で5年間保存する義務があります。「提出しなくていい=捨てていい」ではないので注意してください。
明細書はe-Taxの確定申告作成コーナーで自動生成できます。マイナポータル連携を使えば保険診療分は自動取込も可能で、手入力の手間がかなり減りました。
通常の医療費控除と「セルフメディケーション税制」はどちらか一方だけ選べます。セルフメディケーション税制は、対象のOTC医薬品(市販薬)を年間1.2万円超購入した場合に、超えた部分(上限8.8万円)が控除対象になります。
判断の目安はシンプルで、「病院にあまり行かないけどドラッグストアでよく薬を買う」人はセルフメディケーション税制が向いていることがあります。逆に入院・手術・歯科などで費用が大きい場合は通常の医療費控除が有利です。
「e-Taxって難しそう」と思っている方、今年からかなり変わっています。特にiPhoneユーザーにとっては手続きが一段と楽になりました。
iPhoneのAppleウォレットにマイナンバーカードの電子証明書を格納できるようになりました。これまではe-Taxにログインするたびにカードをスマホにかざす必要がありましたが、今後は設定さえしておけばウォレットから認証できます。カードを財布から出す手間がなくなるのは、地味ですがかなり便利だと思います。
マイナポータルと連携すると、以下のデータが申告書に自動入力されます。全部手入力していた頃と比べると、申告にかかる時間が大幅に短縮されます。
税務署の申告会場は事前予約が必要なところが増えています。予約なしで行くと長時間待たされるか、受付できないこともあるそうです。自宅からスマホで完結できるなら、わざわざ会場に行く必要はないのですが、どうしても窓口を使いたい場合は早めに予約しておくことをおすすめします。
確定申告に関して毎年繰り返される「しまった」パターンがあります。事前に知っておけば防げるものばかりです。
医療費の領収書を捨ててしまった、という相談は多いです。でも実際には、健康保険組合や共済組合から「医療費のお知らせ」を再発行してもらえるケースがあります。保険診療分ならマイナポータルからも取得できることがあります。「領収書がないからもう無理」と諦める前に、保険者へ問い合わせてみてください。
なお、医療費控除の明細書は自分で作成するもので領収書の添付は不要です。「分かる範囲で明細書を作成し、説明できるようにしておく」という対応が現実的です。
転職して片方の会社が年末調整していない。退職後に再就職しなかった。副業収入はあるが少額だから申告不要と思っていた。ふるさと納税のワンストップ書類を出した気になっていたが実は届いていなかった。
こういったケースは典型的な「申告したら還付があった」パターンです。「自分は関係ない」と思わずに、源泉徴収票を見て税額が多すぎないか確認してみてください。
3月16日以降の申告は「期限後申告」になり、無申告加算税(納付税額の10〜30%)や延滞税の対象になる場合があります。ただし還付になるだけの申告(税金を払い足す必要がない)や、税務署からの指摘前に自主的に申告したケースは加算税が軽減・不適用になることもあります。
「期限が過ぎたから終わり」ではなく、気づいた時点で申告することが重要です。放置すれば状況は悪化するだけで、自主申告するほど有利になります。
初めて医療費控除を申告したとき、「間違えたら税務署に呼ばれる」と本気で思っていました。でもe-Taxで入力したら自動計算してくれて、確認して送信するだけでした。3万円が戻ってきたとき「もっと早くやればよかった」と思いましたよ。
一度やると「こんなものか」と思います。最初のハードルが一番高いだけで、実際はスマホで1〜2時間もあれば完結します。
確定申告を面倒だと感じる気持ちはよくわかります。でも、その「面倒」のせいで取り戻せたはずのお金を毎年手放しているとしたら、どうでしょうか。
「当てはまるか」の確認だけ、今すぐできます
Section 02に書いた6つのケース、自分に当てはまるものはありましたか。医療費・ふるさと納税・転職・株の損失。どれか一つでも当てはまるなら、確定申告する価値は十分あります。
2026年はe-Taxがスマホ一台で完結するようになって、申告のハードルはこれまでで一番低くなっています。「今年こそやってみよう」のタイミングとしては悪くないと思いますよ。
過去分も含めて棚卸しするといいかもしれません
「今年分だけ」でなく、「過去2〜3年で申告し忘れていたことはないか」を一度確認してみてください。5年以内なら取り戻せる。この事実を知っているだけで、損する機会をかなり減らせます。
「申告したら3万円戻ってきた」という経験は、お金の管理への意識を変えます。面倒だと思っていたことが、やってみたら大したことなかった、というのが確定申告だと思います。
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